マーケティング

企業にとって広告とは?その必要性と存在意義

こんにちは。株式会社K.OFFICEの奥休場です。

広告を取り巻く環境は劇的に進化を遂げており、考え方や形態も時代と共に変化しています。
特に、近年はテクノロジーが急速に発展したことで、広告の種類も多様化しているだけでなく、手法も次から次へと生まれるため、広告戦略の構築に頭を悩ます企業や担当者も多いのではないでしょうか。

こんな状況だからこそ、「そもそも広告とは」「広告の必要性は?」「広告の未来と企業はどのように対応していく必要があるか?」など、基本概念や取り巻く環境、企業が取るべき行動など今一度見つめ直すことで、新たな活路を見出すきっかけにもなるはずです。

そこで今回は、広告の基本概念から歴史、企業における広告の必要性、未来と企業の対応について私なりの考えを話してみたいと思います。
また、今の時代に合わせた効果的な広告戦略の構築方法のポイントや企業の取るべき行動についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

1.広告の基本概念

広告 街並み

広告と一言でいってもたくさんの種類があるだけでなく、形も時代と共に変化し続けているため、広告の基本概念を理解しきれていない企業も多く見かけています。

まずはそもそも広告とは何なのか、役割やメリットは何なのか、広告の本質を理解することから始めていきましょう。

 

1-1.広告とは何なのか

広告とは文字から考えれば「広く告げる」ことを指し、告知活動全般を示す言葉です。
日本大百科全書によれば、「送り手である広告主が、受け手である消費者の態度や行動に影響を与える目的で、新聞、放送などの広告媒体(advertising media)を通じて有料で行う情報伝達活動である」と記載されています。

英語表記で表すと「advertising」の単語が使われますが、advertiseは「興味を向かせる」といった意味になるため、総合して見れば「相手に興味を抱かせる告知活動」が広告ということになります。

感覚的には意味合いを理解しているつもりでも、「とりあえず広告を打つ」「とにかく目立つ広告を打っておく」など安易に広告を捉えているケースも多く、本質からズレてしまっているケースを多く見かけます。
広告戦略の根源部分に当たるので、今一度再認識しておくようにしてください。

 

1-2.広告の役割と企業へのメリット

広告には大きな役割が3つあるといえます。

  • 商品やサービスの情報を伝える
  • 商品やサービスの内容を説明する
  • 社会性的なメッセージを提起する

細分化して考えると他にも役割は考えられますが、主となる役割は上記の3つになるはずです。

役割から考えれば、

  • 未だ自社の商品やサービスを知らないユーザーに情報を伝える
  • 消費者の心に訴えかけて商品やサービスに興味を抱かせる
  • 社会に影響を与えトレンドを生み出す

など、広告が与える影響はどれも企業にとってはメリットに働きます。
打ち出した広告がしっかりと役割を果たせば、今以上に商品やサービスが認知される・拡大することになるため、時間をかけてでも戦略的に取り組んでいく必要性があるでしょう。

ちなみに、企業にとって広告はデメリットに働く可能性も十分に秘めています。
広告の内容によっては、イメージダウンや購買意欲の低下を引き起こす可能性がある点は念頭に置いておくようにしてください。

 

2.広告の歴史

チラシやポスター

広告の定義や役割について理解している人は多いかもしれませんが、「広告の歴史」に関する起源や時代による変化について詳しく理解している人は少ないかもしれません。

ここでは広告の歴史について詳しく見ていきましょう。

 

2-1.広告の起源と初期の形式

世界で最も古い広告とされるのは、5000年前のバビロニアで発明された煉瓦に象形文字を刷り込んだものと言われ、広告の起源とされているものの1つです。
当時の王朝を世に宣伝するために作られたもので、煉瓦で作られたお寺の名前と建立した王朝(宣伝の対象となる王朝)の名前が刻印されていました。

日本の起源を辿ると、奈良時代の商店による看板広告が最初とも言われています。
日本でも古い時代から広告は活用されており、江戸時代では商いの目印として看板広告が多様されていたようです。
特に江戸時代は、現在における広告形態の原点になっているものが多数存在します。

当初、広告の存在意義は、名前や場所、存在を世の中に認知させるために、広告という存在が利用されていたようです。
初期の形式と今では違う形ですが、世の中に認知を広げる、商売を宣伝するいった本質は同じになるため、広告の歴史を知っておくことで、現代のマーケティング戦略に通ずるものがあるといえます。

 

2-2.産業革命以降の広告の進化

産業革命以降は印刷技術の進化もあり、広告の形式や形態は大きく変化していきます。
特に第二次産業革命前後からさまざまな媒体が登場し、媒体に付随して広告形態も次々と生まれ、広告は進化を遂げていった形です。

最も大きな変化を与えたのは「新聞」で、マス広告の概念がスタートしたのもこのタイミングからでしょう。
新聞は多くの人に一度で情報を届けられる画期的なシステムであったため、広告との相性が良い媒体でした。
時代が進むにつれて新聞の種類は増え、発行元によって掲載される情報のカテゴリやエリアが変化していき、読者層に合わせた広告を載せていくスタイルが確立していきます。
これは現代主流となっているWEB広告戦略の根源になっている考え方ともいえるかもしれません。

新聞の登場以降、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネットと次々と媒体が進化していきますが、進化を遂げていくほど広告との相性が良くなり、メディアと広告は常に密接な関係になっています
また、広告が与える社会への影響が増大、広告による効果・利益の増加も大きくなったことで、広告の主戦場はメディアが対象になった形です。

現代では、インターネットにおける広告市場は飛躍的に規模が大きなり、これまで主流だったテレビ広告費をWEB広告費が抜いています。
さらに、インターネット技術は今後も益々進化が進んでいくことが予想されますので、広告戦略においても今通用している方法がすぐに淘汰される可能性もあるため、新しい広告の概念や手法をアップデートし続けることは必要不可欠と考えておきましょう。

 

2-3.デジタル時代の広告の変遷

今や当たり前になっているWEB広告も、時代に合わせて手法や形態を変遷しています。
現在のトレンドや手法に行き着くまでどんな歴史を辿ってきたのでしょうか。

過去のトレンドや歴史を振り返っておくと、今後の戦略を立てるヒントを見つけられるかもしれません。

■〜2000年頃
・Yahoo!JAPANがバナー広告(純広告)をリリースし主流となる
・メールマガジン発行サービスも誕生し、メール広告もスタートする
・Amazonがアソシエイトプログラムをスタートし、アフィリエイトサービスプロバイダが誕生する。

■2000年代
・技術の発展で高度なデジタル広告が生まれる
・Google AdwordsやOvertureといった検索連動型広告がスタートする。
・2003年頃にサイトのコンテンツやテーマに沿った最適な内容の広告を配信するコンテンツ連動型広告の提供もスタートする。
・2005年頃にユーザーの閲覧情報等を元に、最適な広告を表示する「行動ターゲティング」の仕組みが生まれる。
・その後、興味関心連動型広告サービスがスタートする。

■2010年代
・特定の広告枠のインプレッションを入札方式で勝ち取ることができるアドクスチェンジが生まれる。
・Cookieを利用し、ユーザーの行動履歴を複数サイトから情報を収集した上で、最適な広告を表示するオーディエンスターゲティングも生まれる。
・2012年頃に動画広告が拡大し始める、2014年頃にネイティブ広告が生まれるなど、次々にWEB広告に関わる仕組みやサービスがスタートしていく。

■2020年以降(現在)
・AIが進化を遂げているため、ユーザーの情報をAIが分析し、関心や趣向に合わせて最適な広告を表示するコンテキスト広告に期待が寄せられている。
・多くの人が日常的かつ頻繁にスマホを利用するようになったため、モバイル広告が重要な立ち位置となっており、メインの主戦場になっている。

実際にはもっとたくさんの仕組みやサービスが生まれていますが、代表的な例だけを歴史としてまとめてみました。

デジタルに関する技術は確実に今後も進化を続けていきます。
むしろ、スピード感としては今以上に早くなる可能性が高い状況です。

広告の歴史や仕組みの理解が浅い人によっては、「広告はバナー広告をとりあえず出しておけばよい」といった固定概念に囚われているケースも見受けられます
決してそれが間違いということではありませんが、歴史から考えれば非常に古い広告の仕組みを活用した戦略であり、自社の商品やサービスと現代のトレンド、広告のスタイルがマッチしていない可能性もありえるでしょう。

成果が出る広告戦略を打つためにも、常に変化を続ける社会とデジタル広告の市場から目を離さず、インプットし続ける必要性を企業側は理解しておいてください。

 

3.現代の企業における広告の必要性

スマホと街並み

では、現代の企業において広告という存在がどれだけ必要になるでしょうか。
企業側の目線における広告の立ち位置について、お答えしていきます。

 

3-1.ブランド認知と市場展開

企業にとって認知を広げることは商品やサービスを売る・売れることに直結するため、認知拡大の手段として広告は大きな重要性を持っています
特に現代はモノやサービスが溢れている時代であり、どの業界・どのカテゴリにおいても競合が争いが絶えない世界ですので、認知拡大がなければあなたの売りたいものが手に取ってもらえる可能性は限りなく低いといえるでしょう。

さらに、広告は認知を広げるだけでなく、自社商品やサービスの価値を作るブランディングにもつながります
内容や性能を伝える役割だけでなく、商品の存在意義やメージの植え付けといった価値を高める役割も持っているため、選ばれ続ける理由作りとしても重要な存在です。
例えば、NIKEやAppleはテレビ広告やWEB広告でも、単に商品を紹介するだけでなく、自分達の世界観を表現した素晴らしい広告を展開しています。
ブランディングが確立すると、「商品の内容はさておき〇〇ブランドだから買う」といったケースも往々にして存在するため、企業が発信する広告の影響力は非常に大きい存在です。

また同時に、市場内で規模を広げ展開していくには、広告の活用は必要不可欠になるということになります。

 

3-2.ターゲットオーディエンスの影響

ターゲットオーディエンスとは、広告やコンテンツなど自社に関心や興味を強く持った人々を特定しグループ分けした属性を指します。
広告を考える上で非常に重要なワードであり、ターゲットオーディエンスを把握しておくことで広告を発信する場所を的確に選択できるメリットがあります

また、限定的な属性のみをターゲットとした広告戦略ができれば、範囲を狭めた分コストカットにつながる効率的な考え方です。

つまり既に興味を持っているグループが属している広告チャネルやメディアを活用して広告を提供すれば、より購買意欲を掻き立て、スムーズに売上へつながる可能性が高いため、広告からターゲットオーディエンスに与える影響は大きいものとなります。

 

3-3.競争優位の構築

競争優位とは、同ジャンルでビジネスをしている競合他社と比較したときに、自社が圧倒的に他社よりも優位になっていることを指します。
単に他社と違う特徴を持っているだけではなく、他社が真似できない技術・能力を持っていて、他社を超える事業を展開していなければ競争優位には当てはまりません。

通常であれば、商品やサービスの技術や品質、価格等で特徴を考えるときに競争優位を意識することになりますが、効果的な広告戦略を進めることができれば競争優位の構築も可能です。

具体的には、

  • 他社にはない独自性を中心に訴求した広告
  • 利用価値を高めるブランド力を訴求した広告
  • ターゲットオーディエンスに向けたプロモーション

など、広告が与える影響によって、商品内容やイメージの向上ができれば競争優位性の構築につながります。

 

4.効果的な広告戦略の構築

ミーティング風景

ここの章では、現代の広告トレンドに合わせた効果的な広告戦略の構築方法について、具体的にご紹介していきます。
「戦略と言われてもなにをどうすればいいか分からない」人も多いと思いますので、今回紹介する手法も参考にしていただければと思います。

 

4-1.ターゲット市場の特定

ターゲット市場とは、自社の商品やサービスの興味関心・購買意欲を持っている可能性が高い属性を指します。

前項で解説しているターゲットオーディエンスと混同しがちですが、より範囲が狭く購入や利用が想定される属性がターゲットオーディエンスに当たるため、それよりも広い範囲の属性を対象としているのがターゲット市場です。

ターゲット市場を明確にしておけば、広告で狙うべき対象を定めることが可能になり、成果を出しやすい・広告戦略やマーケティングの効率が上がります
また、無関心の属性にコストを浪費することなく、狭い範囲の中で集中して費用を使えるため、大企業のように資金が多くはない中小企業やスタートアップ企業でも勝ち筋が見えてくるはずです。

ちなみにターゲット市場の特定には、4つの特性を踏まえて明確にしておくと分かりやすいでしょう。

人口動態的特性 年齢や性別、仕事、収入、家族構成、ライフステージetc
地理的特性 居住地、地域、風習、商品やサービスの利用場所
心理的特性 趣味や趣向、興味関心
行動特性 自社顧客から想定される行動パターン

例えば、

  • サービスを展開している地域の中でも、所得が多い職業に就いている30歳〜40歳の女性
  • 田舎でのんびりと過ごしたいと考えている定年退職した中所得者
  • 地域の文化や特性からスピードよりも対応の丁寧さやアフターフォローを求めている30歳〜40歳のファミリー

といった形で、絞り込んでいきます。

現状の顧客における行動パターンやニーズ、展開する地域の状況や競合の存在など、現状を分析していくとあなたのターゲット市場が明確に見えてくるはずです。

 

4-2.メッセージの策定とブランディング

前項でターゲット市場が明確になっていれば、自ずと自社商品の強みや他社にはない特徴、顧客が感じるであろう価値についても明確になっていると思います
当然、特徴や強みを広告でプッシュしていくことは必要であり、顧客に届けるべき情報となります。
しかし、一方的に自社の情報を伝えるだけでは、モノが溢れた現代の顧客には刺さらない可能性も十分に考えられるでしょう。

そこで、広告にどんなメッセージを乗せていくかも重要な要素となります。
さらにそのメッセージの内容が「顧客に分かりやすい内容になっているか」といった視点も欠かせません。

例えば、あなたが初心者クリエイター向けの動画編集ソフトを販売していると仮定し、ハイエンド向けのソフトに近い機能を多数揃えているのが特徴の場合。
多くの広告では「ハイエンドと同様の〇〇機能がある」「プロでも使える〇〇なソフト」といった打ち出し方をするケースが多いと思います。
決して戦略としては間違いではありませんが、見方によっては「初心者では詳しい機能の違いが分からず魅力的には見えない」となる可能性もあるでしょう。

となれば、

  • 〇〇のソフトを使えば今日から業務に使えます
  • このソフトなら一流クリエイターになれます
  • このソフトがあれば他ソフトは一切必要ありません

といったメッセージ性を乗せた戦略のほうが、ユーザーに刺さりやすいかもしれません。

さらに、広告でメッセージを的確に訴求できれば、商品のブランディングを作っていく一つの材料になります
他社との差別化を図るためにも、自社のポジショニングを捉え、広告に乗せるメッセージを策定していきましょう。

 

4-3.マルチチャネル戦略の重要性

マルチチャネルとは、集客に使用する媒体や経路が複数ある状態を指します。
複数のチャネルによって、ユーザーが商品やサービスに触れる機会が多くなり、認知度の向上や販売機会の増加を見込めるのが特徴です。

分かりやすい例でいけば、実店舗だけで商品を販売していたお店がネットショップを開設し、遠方に住んでいるユーザーにも販売機会を創出するといった動きもマルチチャネルの一つになります。

広告に関してもマルチチャネルの活用が可能です。
例えばWEB広告にも、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「動画広告」「SNS広告」など多種類の経路が存在します。
それぞれの広告において、形態やターゲットとなるユーザーも変わってくるため、活用の仕方次第ではこれまで発信できていなかった層にもアプローチが可能です。
1つの経路に絞るのではなく、複数の媒体を利用して広告を展開していけば、それだけ商品やサービスが目に触れる機会が増えるため大きな効果が期待できるでしょう。

ただし、注意する点は自社商品やサービスの広告を誰に届けたいのか、相性の良い広告は何かなど、現状と今後の展開を分析した上でマルチチャネルを用意していくことが重要です。
また、多くの経路を活用すればそれだけコストもかかってくるため、予算とのバランスを考慮する必要もあります。

ここまで広告戦略の構築に関して解説をしてきましたが、どうしても一定の知識やノウハウが必要になります。
社内にマーケティングに強い人材がいれば理想ですが、難しければマーケティングや広告戦略に強い企業にフォローしてもらうのもおすすめです。

 

5.広告の未来と企業が取るべき対応

パソコンとスマホで作業している

広告費に関して国内全体の推移を見ると、2022年の広告費は7兆円を超え、2007年以降の過去最大額となっており、広告市場は年々拡大しています。
特に、WEB広告が飛躍的に伸びている状況で、2022年においては全体の43.5%を占めており、ビジネスを成功させるためには欠かせない存在です。

最後に広告を取り巻く環境や未来を考察し、あなたの企業はどう対応していくべきかについても触れていきます。

 

5-1.新しい広告技術の出現

常に広告業界も新しい技術や手法が開発され、時代の流れと同調しながらさまざまなトレンドが生まれています。
テクノロジーの劇的な進化が進んでいることもあり、広告業界の中でもWEB広告が特に発展を遂げているといっても過言ではありません。

インターネット技術の進化と共に、ターゲティングの精度が上がり、ユーザーの検索キーワードに連動した広告を的確に出せるようになったのも新しい広告技術の1つです。
また、SNSという存在が日常に溶け込んだことで、インフルエンサー経由の広告による集客も新しい広告技術に当たります。

今後も間違いなく技術の進化が予想されますが、注目すべきは「バーチャルやメタバース」「AI」の存在です。
これらはさまざまな分野で活用が進んでいますが、広告との相性も良いため、一体化された技術が次々と現れることが予想されます。
すでにGoogleでは、消費者が実店舗に足を運ばなくても商品をバーチャルで回転・拡大できる3D広告を開発していて、3D広告を活用している企業も存在します。
こういった新たなテクノロジーを活用した「体験型」「没入型」の広告は、今後注目しておくべきワードとなりますので、ぜひこの機会に覚えておいてください。

ちなみに上記の内容は、新しい広告技術に関してほんの一部にしか触れていません。
広告に関するトレンドの把握、新しい技術を活用した広告戦略など、企業は時代に取り残されないように常にアンテナを張っておく必要があります。

 

5-2.デジタルとオフラインの統合

仮想空間と現実世界を融合させた「Web4.0」と呼ばれる技術が進化を始め、世界的にもメタバースやAIを取り入れたリアルな世界が浸透してきています。
したがって、仮想と現実の境目が曖昧になってきており、次第に統合される動きが加速化してくると思われます。

広告業界においても、オフライン広告とオンライン広告はそれぞれ独立した存在で考えられてきましたが、今後は統合化が進んでいくはずです。
なぜなら、これだけデジタルという存在が日常生活に溶け込んでいる状況を踏まえれば、それぞれを独立した視点で考えること自体に無理があるといえます。
また、最近は実店舗とインターネット事業の垣根を超えて購入・体験できるOMO(Online Merges with Offline)と呼ばれる考え方・マーケティング戦略が注目を浴びており、広告業界にもOMOの考え方を求める声が非常に高くなっています

そもそもOMOとは簡単に説明すると、ユーザーがオンラインとオフラインを意識することなく、商品やサービスを購入・体験するモデルのことを指します。
例えば、インターネット上で小売店舗に対して顔認識情報を登録しておけば、実店舗に足を運んで欲しい商品をセルフレジに置けば自動で決済まで完了できてしまうビジネスモデルがOMOです。
実際にOMOの考え方をベースにビジネスを展開している企業も多く、大きな成果を出しているため、広告においてもOMOを軸にした戦略が注目を浴びています。

具体的には、より広告をパーソナル化しターゲティング精度を上げ、購買意欲を刺激する広告戦略にOMOの考え方が応用できます
例を挙げると、現代の顧客がしているリアルな行動としては、ネットで商品の情報を検索し店舗へ足を運ぶ、店舗で実物をチェックしてネットで購入するなど購入方法も多様化している形です。

従来であれば実店舗への集客に向けた広告とECサイトへの集客に向けた広告は別セクションで考えられていましたが、それぞれの顧客データを分析し、顧客が起こす一連の行動を垣根なく紐づけた上で広告戦略を練ることができれば、より精度の高いターゲティングが可能になります。
ターゲティングが的確になれば、より購買行動を促進できる広告配信が可能になるため、オンライン(デジタル)とオフラインを統合した考えはより重要になると認識しておいてください。

 

5-3.持続可能性と倫理的広告

社会はより「サステナブル」「SDGs」の視点が重要になり、企業活動においても持続可能な社会の実現に向けた取り組みを実施している必要があります。
したがって、企業の情報を発信する広告においても、自社のSDGsの取り組みを積極的にアピールし、社会課題に企業全体が取り組んでいることを発信していく姿勢が必要不可欠です。

「環境」に無関心な層も存在しているため、一見企業にとって意味のない広告と感じr方もいるかもしれません。
しかし、最近起きている環境問題を見ても分かる通り、これまでに対面したことのない環境の脅威に晒される場面が多くなっており、SDGsへの取り組みはより一層加速化されるはずです。
そうなれば、サステナブルな生活が日常化し、持続可能性の社会規範が今以上に形成されることになるので、ユーザーが選ぶ商品やサービスも「環境に良さそう」「この商品なら社会に貢献している」といった視点を持つようになります

よって、企業が発信する広告も単に「売る」ための広告だけではなく、社会課題に取り組む姿勢や活動を発信し、持続可能性な社会と企業の関係性を伝えていく対応が必要になるでしょう。
ただし、活動や取り組みをとにかく目立たせてアピールしておけば良いわけではありません。
社会課題に対する企業の理念や考えを伝え、ユーザーが共感・賛同し応援する気持ちに向かうような広告発信が必要になる点は覚えておきましょう。

 

6.まとめ

今回は広告の必要性と存在意義という大きなテーマについて解説してきました。

ここまでの内容をまとめると、

  • 広告とは「相手に興味を抱かせる告知活動」である
  • 広告は企業にとって情報を伝える・興味を抱かせる・トレンドを生み出すメリットがある
  • 広告の歴史は知ることでこれから取るべき戦略の本質が見えてくる
  • 広告は認知と市場拡大のためには欠かせない存在
  • 広告は競争優位の構築につながる
  • 広告戦略はターゲット選定・メッセージの策定・マルチチャネルの活用が重要
  • 広告の未来を予測し、企業は時代の流れに合わせた対応や施策が継続的に必要

となります。

今回の記事を読んでいただき、企業における広告の必要性を再認識していただければと思います。
また、継続的な適応と社会に影響を与えるイノベーションも必要性も理解していただき、今後の広告戦略に役立ていただければ幸いです。

もし、広告全般に関する悩み、広告戦略の立て方や施策に対する分析など、お困りのことがあれば、一度、株式会社K.OFFICEにご相談ください。
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